防犯寸劇:長岡駅交番所長の高橋一郎警部補、100回超...今月定年 /新潟
今、気になっていることは「履歴書・希望欄について」ですがこんなニュースがあります。
◇ヒカルおじいちゃん、ありがとう
「ヒカルおじいちゃん」のキャラクターで寸劇を演じ防犯活動を続けてきた長岡署長岡駅交番所長の高橋一郎警部補(60)が3月末で定年退職する。
7日には最終公演が長岡市であり、高齢者らから「ありがとう」と感謝の言葉が贈られた。
【長谷川隆】
高橋さんは南魚沼市出身。
優しくて頼もしかった地元の駐在さんにあこがれ、1968年、警察官になった。
白バイ隊分隊長や高速隊小隊長など交通畑を歩んだが、不規則でストレスの多い勤務。
大病を患い、2度の大手術を経験した。
「大変な試練だった」と振り返る。
98年春、同署表町交番所長に就任。
管内の保育園や幼稚園、高齢者の施設から防犯指導の講師として招かれる機会が増えた。
ところが、まじめに話をしても、ほとんど反応がない。
「どうすれば伝わるだろうか」。
思いついたのが寸劇だった。
署員を集めて「ヒカル劇団」を結成した。
当初、高橋さんは県警のマスコット「ひかる君」にちなみ、「ヒカル君」の子ども姿で演じていた。
01年、はげ頭のかつらを付けて演じたところ、大受け。
以来「ヒカルおじいちゃん」のキャラクターで演じてきた。
非番の日に団員を率いて施設を回り、劇を通して子どもたちには「声かけや誘拐」に注意するよう伝え、高齢者には「交通事故や詐欺」に警戒するよう呼びかけ続け、公演回数は100回を超えた。
◇ ◆
寸劇が役立ったことも。
05年3月、高齢者を前に、振り込め詐欺の寸劇を演じた。
その約1週間後、寸劇を見た女性宅に息子をかたる振り込め詐欺の電話があった。
交通事故を起こして賠償金が数百万円いるという。
女性の心は揺れたが、「すぐ現金を振り込まず、念のため本人に確認するように」という劇の内容を思い出した。
「念のため、せがれに確認します」。
女性がそう言うと、犯人は電話を切ったという。
その翌日、女性は交番に「ヒカルおじいちゃん」を訪ねた。
制服を着て黒髪姿の高橋さんに当初、女性は気づかなかったが、そうと分かると2人で無事を喜び合ったという。
◇ ◆
7日の最終公演。
長岡市高齢者センターには、約60人のお年寄りが集まった。
ヒカルおじいちゃんが詐欺犯にまんまとだまされ、「急いで振り込まなければ」と慌てて道路に飛び出して車にひかれそうになると、観客は息をのんで見守った。
最後に幕が下りると、大きな拍手と「やめないで」「ありがとう」の声が相次いだ。
ヒカル劇団は署の劇団のため、退職後は高橋さんも引退する。
それでも高橋さんの人柄を慕い、これからも姿を見せてほしいと望む声も上がっている。
3月16日朝刊
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最終更新:3月16日12時53分
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